悠さんち

メモ的な。

【来たるべき著作権の未来はユートピアか?】京都女子大学法学部公開講座記録の紹介

二次創作をやってると、著作権というものを意識せざるを得ないと思います。

二次創作と著作権を考える際に非常に参考になる講義録がありまして、折にふれて紹介しているんですが、PDFしか公開されていないからか、内容が長いからか、あまり反応がない。ので、記事に起こしておこうかなと。

私が読んで印象的だった箇所を一部引用して紹介していますが、恣意的な引用であることが否定できませんので、ぜひPDFの全文を読んでいただければと思います。

 講座の概要

京都女子大学 2016年10月~12月 公開講座
法学部【来たるべき著作権の未来はユートピアか?】

講題  エンブレムに向けられたネットユーザーの厳しい目—オリジナル?パクリ?
講師  慶應義塾大学大学院法務研究科教授 奥邨 弘司
講題  「二次創作」文化を巡るあれこれ—二次創作と著作権の曖昧な関係
講師  森・濱田松本法律事務所弁護士 池村 聡
講題  AIは著作者になれるのか—テクノロジーの可能性と限界(?)
講師  文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課課長補佐 壹貫田 剛史

 エンブレムに向けられたネットユーザーの厳しい目—オリジナル?パクリ?

Kyoto Women's University Academic Information Repository: エンブレムに向けられたネットユーザーの「厳しい」目 : オリジナル、それともパクリ (来たるべき著作権の未来はユートピアか?: 京都女子大学法学部公開講座 : 2016 年度後期)
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ひとつめの講座は慶応大学法科大学院の奥邨弘司先生によるもの。盗作騒動で取り下げとなった東京五輪のエンブレムや、松本零士の漫画と槇原敬之の歌の歌詞に関わる訴訟など実際の事例を取り上げながら、著作権法はなにを保護しており、どのような観点で権利侵害かどうかを判断するか、といったことを解説しています。
著作権法は表現を保護し、アイディアは保護しないこと、偶然の類似は侵害と見なさないこと、実際の裁判ではどの程度の類似が侵害と判断されるのか、などが具体的に解説されています。

最後に一言申し上げると、著作権侵害でなければ、クリエイターの倫理として、他人の作品を模倣して良いと申し上げているつもりはありません。それは、クリエイターの世界における議論です。今日はあくまでも、著作権法の世界からの分析です。

 締めくくりのこの言葉も意識しておくべきものと思います。

「二次創作」文化を巡るアレコレ : 二次創作と著作権の曖昧な関係

Kyoto Women's University Academic Information Repository: エンブレムに向けられたネットユーザーの「厳しい」目 : オリジナル、それともパクリ (来たるべき著作権の未来はユートピアか?: 京都女子大学法学部公開講座 : 2016 年度後期)
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ふたつ目の講座は、知財法関連やベンチャー・IT、個人情報その他を専門とする弁護士であり、文化庁著作権課に出向して著作権法改正に関わる仕事もされていた池村聡先生によるもの。

講座では、いわゆる「二次創作」として、ニコニコ動画の「歌ってみた」「踊ってみた」やMAD動画、ネットにアップされるパロディ画像、同人誌などを取り上げ、著作権法の観点からは二次創作はどのようにとらえられるのか、といった内容が話されています。

 まず指摘しなければならないことは、「二次創作」あるいは「二次創作作品」といった用語は著作権法上の用語ではないということです。つまり、著作権法という法律の条文には、「二次創作」や「二次創作作品」という言葉は一つも出てきません。

(中略)

 例えば既存の漫画におけるキャラクター等の設定だけを利用して小説を創作することも「二次創作」と呼ばれ、完成した小説は「二次創作作品」にカテゴライズされますが、設定自体には通常は著作権法の保護が及びませんので、著作権法上の「翻案」には該当しない行為であって、小説は「二次的著作物」には当たりません。

 このように、既存作品のアイディアやコンセプトを利用しているに過ぎない場合のように、著作権法上は既存作品の著作権者から許諾を得る必要がない態様も含めた概念として「二次創作」という言葉が使われているという点を押さえて下さい。

 こうして考えていくと、結局のところ、「二次創作」とは、「既存の著作物をなんらかの形で利用し、別の作品をつくりあげること」といった程度の、極めて広く曖昧な概念であるという結論になるものと考えられます。

二次創作は著作権法における「二次的著作物」とは異なるものであり、世に「二次創作」と呼ばれるものがすべて著作権を侵害しているとは言いがたいという解説。特に「既存の作品の設定を使った小説は『翻案』にはあたらない」というのはあまり知られていないように思います。(小説に限定されているのは、漫画は「絵」という「表現」が原作に依拠しているから)

 

  著作権は「私権」つまりは私人の権利ですので、権利を持っている本人が別に構わないと考えれば、著作権侵害とは評価されません。そういう意味で、現状、本来著作権者からの許諾が必要な「二次創作」は、当の著作権者自身が「まあいいか」ということで放置、黙認していることにより著作権侵害とは評価されないというケースが殆どであるといってよいと思います。

 黙認や放置のパターンにも色々あり、「元作品への愛情があるパロディ」だから黙認、放置するというケースや、パロディ作品がきっかけで元作品が注目を集める可能性があるという理由で黙認、放置するケースもあります。勿論、よくわからないけど面倒だから放置する、というケースも少なくないでしょう。そもそも自分の作品がパロディ化されていることに著作権者が気付いていないケースも沢山あると思います。

 いずれにせよ、問題視して削除請求や損害賠償請求するか、あるいはそのまま放置するかは著作権者自身が決めることで、現状は黙認放置されているケースがほとんどで、少なくとも日本では、それで大きなトラブルもなくうまく回っているという状況にあります。つまり、権利者が、もはや放置できない、許さんと判断する場合もないわけではないですが、そうした例は実際上多くはなく、少なくとも権利者が「二次創作」を問題視し、紛争が多発しているといった実態には全くないといってよいと思います。このように、二次創作文化は、黙認や放置といった微妙で絶妙なバランスの上で成り立っていて、それがクールジャパンの一翼を担うまでになっているのです。

権利者が問題視しない限りは著作権侵害の評価はなされない、という話。これも重要ですよね。
権利者でない第三者が他人の行為を「それは著作権侵害ですよ」というのは厳密に言うと間違っている、ということになるでしょう。

講座の後半では、音楽の著作権JASRAC、パロディやフェア・ユースについての現状なども説明されています。また、TPP協定を結ぶにあたって議論された著作権の非親告化についての話も。

AIは著作者になれるのか : テクノロジーの可能性と限界(?)

Kyoto Women's University Academic Information Repository: AIは著作者になれるのか : テクノロジーの可能性と限界(?) (来たるべき著作権の未来はユートピアか?: 京都女子大学法学部公開講座 : 2016 年度後期)
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3つめは内閣官房教育再生実行会議担当室参事官補佐の壹貫田剛史先生による講座。「AIは著作者になれるのか」という切り口で、「創作」とは何か、「著作物」とは何か、という話がされています。法律において著作物とは作者の思想・感情を反映された表現であり、思想や感情を持たないAIによる創作物は著作物としては保護されない、しかしAIの創作物にはすでに人を感動させる力が充分にある。この先、AIの創作物、AIを利用した創作をどのように考えていけば良いか――といった内容で、SFに興味がある人には特に面白い話だと思います。

パネルディスカッション

Kyoto Women's University Academic Information Repository: パネルディスカッション (来たるべき著作権の未来はユートピアか?: 京都女子大学法学部公開講座 : 2016 年度後期)
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最後のパネルディスカッションでは、聴講生も参加し、著作権侵害を訴えた実際の民事裁判を例に挙げて、それぞれの事例が著作権侵害と判断できるかどうかを考えていきます。一般的には「パクリ」扱いされるような事例でも、著作権の考え方からは侵害と言えない事例も多くあるのがわかります。
中には、実際の裁判では侵害と判断されたものの、その判断は厳しいのではないかと池村弁護士が見解を述べている事例もあり、著作権侵害の有無の判断が非常に難しいものであるのがわかります。

最後のまとめから印象的な箇所を抜粋。

 個人的には、法律と世間のギャップと言うか、必ずしも「著作権法」が正しく理解されていなくて、その結果、本当は著作権侵害ではないものまで「パクリ」だと、すなわちあたかも著作権侵害だというかたちで炎上をしたりとか、そういったよろしくない傾向にあるのではないかと思っています。(池村先生)

 

皆さん、判断される際は、いろいろな議論があり得るということはご理解下さい。自分はアイデアだと思うということだけで突っ走ると、それは危ないですし、一方で、自分は表現だと思うということだけで、人を強く責めるということはやめた方がいいと思います。
 もう一つだけ申し上げると、表現というのは積み重ねの中で出来上がっていくものですから、私たちも、過去の人たちの表現を勉強しながらというところもあるわけです。どこまで先人を尊び、また新しいことを許すかというバランスの議論でもあるんだろうなと思いながら、今日は、お話をさせていただいた次第です。(奥邨先生)

そして最後に非常に面白いやりとりがあるので、こちらもご紹介。

<壹貫田>もう一つ、池村先生へのご質問です。漫画の件ですけれども、漫画の BL 化が、BL 化というのは。

<池村>ボーイズラブ化。

<壹貫田> なるほど。そのボーイズラブ化が、権利者の許可を必要とするのは、その漫画のアイデア、設定を利用するだけではなく、設定を変えているからですかというご質問ですが、いかがでしょうか。

<池村>設定等を変えているという部分は、今日はほとんどお話しができませんでしたけれども、著作者人格権、具体的には同一性保持権という権利に抵触する可能性もあるとは思います。ただ、BL化の一番の問題は表現、つまりはキャラクターの絵をそのまま似せて描いて、同性愛化しているから著作権者の許諾が必要なのではないかということで、例えばキャラクターの名前や人物設定は一緒だけども、絵は全く違うということになれば、許諾は不要という整理になると思います。

ここでいう「絵は全く違う」というのが、どのくらい違えばいいのかは専門家ではないのでよくわかりませんが、(ポパイネクタイ事件などが参考になりそうです)たいへん興味深いですね。

同人原稿チェックサービス「オタペンせんせい」

「オタペンせんせい」モニター参加しました

otapensensei.info

先日サービス開始された同人作家のための校正・校閲サービス「オタペンせんせい」。スタートにあたりモニターを募集していらしたので、過去作にて参加させていただきました!

提出したのはpixiv掲載の「永遠の日」という3,000字強の短編。②の「校正・校閲」にてお願いしました。料金は文字数×0.3円とのことで、正規に依頼すると1,000円くらいになりそうです。

依頼は基本メールのやりとりで、レスポンスは大変迅速。プレーンテキストで原稿をお送りし、校正・校閲結果をPDFで送っていただきました。

 赤字:校正部分(誤字脱字・誤用など、マストで修正が必要な部分)

 青字:校閲部分(文体、言葉など「こうした方がいいのでは?」という部分)

 

※原稿データへの反映はご依頼主自身にてお願いいたします。

※校正・校閲内容はあくまで「ご提案」です。

 実際に反映、修正するかはご依頼主自身の判断でお願いいたします。

 とのこと。

 実際にいただいたのがこちらです。

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校正してみた

さて、引用しました通り、いただいたのはあくまで「提案」。これを元にどうリライトするか、考えてみました。

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1.「要望」→「希望」
なるほど!希望のほうがしっくりくる。修正。

2.読点挿入
読みやすくなりますね。修正。

3.「雲一つない~」→「レース当日は~」
「~のレース」という言い方がしたいなぁという気持ちもあり、ちょっと悩んだけど、この段落の終わりの「~レースになった」というのとかぶるので、修正。
ついでに表記を「雲ひとつ」に統一。

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4.「いま」→「今」
「今」を開くのは私の趣味なので、ここはママで。

5.読点挿入
ここもあったほうが読みやすい。修正。

6.「現地」トル
確かに、メイン会場と書いた時点で不要。修正。

7.「しないのだった」→「しなかった」
いただいた修正のほうがなめらかなんだけど、私の文章の味かなというのと、このほうが否定が強く感じられるかなと思ったので、ママで。

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8.「インタビューア」→「インタビュアー」
間違って覚えてますね~。修正。

9.「ひとこと」→「一言」「こぶし」→「拳」
同じく、趣味なので開く。ママで。「拳」はルビなしだと「けん」読みがあるのも気になるので、開いて書きがち。

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10.三点リーダの挿入

すぱっと置きたかったので、ママで。

11.「けっこう」→「結構」
ここは開きすぎかな、と思ったので、修正。

12.「オレの前から」トル
読み返してテンポ悪いなと思ってたとこなので、トル。ちょっと考えて「左右によけて」にしてみました。道が割れる感じを出したかった。

13.「ひと」→「人」
「人」については、表記揺れさせてでも一部のみ開く書き方をよくするんですが、読み直して今回は全部漢字でいいかな~と思い直したので、修正。

14.「なんともすごい」→「なんとも言えない」
修正するとニュアンスが変わるので、ママで。

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15.「てのひらを向けた」→「制止した」
くるりと回って」トル
一連の手の動き(手を立てる制止の仕草から、手の平を上に差し伸べる手への変化)を描写したかった箇所ではあるのだけど、全体バランスを考えるとそこを書き込むこともないかなと思い直し、読みやすさを優先して修正。

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16.「おつかれさま」→「お疲れさま」
ここも開きすぎかな、と修正。

17.「現役のとき」→「現役の時」
「~のとき」と書く場合は開く、という癖がついているのだけど、改めて辞書など確認すると、開くのは「~の場合」と言い換えられるとき、とのこと。ここでは「現役時代」の意なので、漢字でいいんですね。修正。

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18.「引き寄せられた。」→「引き寄せると、」
真波くんの受け身で書きたかったのと、次の文とは区切りたいので、ママ。

19.「完爾と笑う」→「莞爾として笑う」
誤字は修正。ここはメールで質問してみたところ、「莞爾と笑う」の用例も多いが、省略された形であり、なるべく「として」を推奨、とのこと。直しました。

20.「過去には帰れない」→「返or戻」
これはね~うっかりです!原作のセリフは「だが永遠の時などない 時は全て一瞬 ならばその一瞬を忘れないように心に刻もう!!」(12巻)「時は一瞬で過去に返らない」(30巻)なんですよね……ということで、「永遠に続く時などない。時は全て一瞬で、過去には返らない」としました。

21.読点追加
ちょっと悩んだけど、ママで。東堂尽八のセリフはなんとなく読点少なめにしたい……。

22.「なにも悔いなど」→「悔いなどなにも」

悩みましたが、修正。

23.「で、だから彼の~」→「、小さく震えて」
周囲にはわからない「震え」が、密着している真波にだけは伝わった(内心を隠して快活に振る舞いながらも、その内心が真波に伝わることを拒まなかった東堂)、と言いたいところなので、ママで。

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24.「ひと」→「人」
13と同じくで、修正。

25.「振りまいたまま」→「振りまきながら」
こちらの方がきれいなんだけど、ここも「外面」と「真波にだけ見せる感情」の対比で書きたいところなので、ママで。

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26.「憧れぬいた」→「憧れ続けた」
「抜く」の、「最後まで…する。…しとげる」の意味を使いたい箇所なので、修正せず。「憧れ抜いた」と漢字にしました。

27.「オレの」トル
直前と重複してるんだけど、ここはわざと反復したかったので、ママで。

28,「いま」→「今」
4と同じ。ママで。

29.読点挿入
読みにくい書き方なんだけど、あえてこのテンポで読んで貰いたいので、ママで。

 

以上で校正完了!いや~、勉強になりました。これからもたまにお願いしてみたいなぁ。

pixivには校正結果を反映したので、よかったらどうぞ~

www.pixiv.net

縦書きテスト

 シーズン最後のJカップが、東堂さんの引退レースになった。プロとしてのキャリアのほとんどを海外のチームで過ごした人だけど、最後はやはり日本のファンの前でと、本人が強く要望したらしい。チームも乗り気で、今年の来日選手のラインナップときたら見たこともないような豪華な顔ぶれだった。  雲一つない快晴のレースだった。沿道を埋め尽くした来場者数はこれまでの記録を大きく更新し、取材に来たメディアも例年にない多さだったらしい。ロードレース人気がずっと低かった時代からおよそ四半世紀の年月を、その実力とキャラクターで自転車界の顔であり続けた、現役最年長となって久しい選手の引退にふさわしい、賑やかで楽しいレースになった。  最初の山岳賞はご祝儀のように贈られたが、最後のそれはわずかな隙を狙ってかすめ取った勝利だった。静かに忍び寄り、音もなく襲いかかる――全盛期を遙かに過ぎても、ここぞという場面でのテクニックは一流だ。海の向こうのメディアではニンジャの文字がまた紙面を飾るのだろう。本人は最後まで嫌がっていたが、そのライディングスタイルにいかにも東洋人らしいルックスも相まって、ニンジャの二つ名は最初に勝利を挙げた日からずっと彼とともにある。本人が昔から主張する"スリーピング・ビューティ"はもっぱら自称で、あとはやっぱりキング・オブ・マウンテン――『山神』。あまりにも彼に似合いすぎたのだろう、最速の座を譲ったいまも、その名が示す選手は彼ひとりだ。  最後の最後で追い抜かれた選手が手を叩いて爆笑するような勝利もそうはない。沿道で、大型ビジョンの周辺で、あるいは画面の向こう側で、たくさんの人が笑って泣いて祝福する、そんなレースになった。優勝は大本命とされたエースが手堅くもぎとって華を添え、東堂さんはチームメイトのずっと後方で、降り注ぐ歓声を抱くように両手を広げたまま、ゆっくりとゴールに飛び込んだ。ご丁寧にもアイウェアを外し、花形役者のように笑ったその顔は、その日から翌日にかけてたくさんのメディアを大きく飾った。  その一部始終を見届けた場所がメイン会場の現地解説席だったのはオレの小さな不満だが、じゃあその場所を誰かに譲れたかというと譲れやしないのだった。巻島さんに立候補されたら太刀打ちはできないが、彼の解説は素人向きとは言えないので、今回は声がかからなかったらしい。  レースの最中は、思い出せる限りの彼の話をした。実況アナウンサーが笑い声を上げるようなことをたくさん言い、大丈夫ですかと焦らせるようなことも少し言った。会場のどこかに放りっぱなしのスマホには荒北さんや黒田さんあたりからお小言がいくつか来ているだろうけど、東堂さん本人はきっと、腹を抱えて笑うだけだろう。  表彰式が終わり、セレモニーが始まった。ステージに立つ東堂さんを大型ビジョンが大きく映し出す。このまま全国へも生中継だそうだ。マイクを持ったインタビューアが型どおりの質問をいくつかして、そのあとオレのいる実況席が呼ばれた。アナウンサーとのやり取りのあと、オレからもレースについていくつか問うて、答えを得る。最後の山岳についてオレなりの観点で訊くとニヤリと満足げな笑みを浮かべたので、及第点をもらえたらしい。 『――では真波さん、引退レースを走り終えた東堂選手に、最後にひとことお願いします!』 「はい、……えーと、――」  続けようとした喉が震えて、言葉がつかえた。咳払いをひとつ、ふたつして、オレはこぶしをぎゅっと握りしめる。  ダメだ。 「あの、……ちょっとそこで待ってて!」 『は!? ――真波さん!?』  けっこうな高さに作られたステージから足場伝いに跳び降りる。どよめき、悲鳴と制止の声と、あと歓声。全部無視して、ジンジン痛む足を叱咤し駆けだした。たくさんの人々が驚いた顔をしたまま、オレの前からよけて道を作ってくれた。ペダルを回すんじゃなく、二本の足で地面を蹴って走ることを、これだけ必死でしたのは初めてかもしれなかった。  数十メートル先の壇上、呆然とオレの暴挙を眺めていたひとのもとによじ登る。膝に手をついて必死で呼吸をし、どうにか顔を上げると、東堂さんは怒りと驚きと呆れと心配と笑いの入り交じった、なんともすごい表情をしていた。 「――とう、どうっ、さんっ」  整わない息のまま、呼びかける。次の言葉を押しだそうとしたところで、東堂さんはふっと笑うと、待て、の仕草でオレに手のひらを向けた。 「情熱的だな、真波山岳! わかったから、まず立て。慌てなくていい、ちゃんと聞かせてくれ」 「…………は、い」  くるりと回って差し伸べられた手にすがって身を起こす。深呼吸をひとつして、真正面から向き合った。東堂さんは片手を腰に当て、少し首を傾げて、オレの言葉を静かに待っていた。ステージの下から、がんばれー、なんて応援の声がいくつかオレに向かって飛んできて、ちょっと恥ずかしい。 「東堂さん」 「うん」  左の膝が、ずきん、と痛んで、それをオレは噛み殺す。本当は、今日のレースをこの人と走っていたかったなんて、――叶うなら最後の最後にその背を押したかったなんて。そうでなければ永遠に道の上を走り続けてほしかっただなんて、神様にだって願えやしない。  永遠の時などなく、オレは自転車をすでに降り、今度はこの人の番なのだ。  腰を折り、あらためて深く頭を下げた。最敬礼というものをオレに最初に教えこんだのも、たぶんこの人だった。身体を起こしながら、もう一度目を合わせる。オレを見下ろして目を細める仕草が、どこか懐かしい。  たくさんの言葉が胸を駆け巡り、けれど唇から出てきたのは結局、平凡極まりないフレーズだった。 「――おつかれさまでした、東堂さん」 「ああ、ありがとう」 「現役のとき、……あなたの背中が、ずっとオレの目標でした。結局追いつけたのか、追いつけなかったのか、わからないけど――」  実のところ、出した結果の話だけするなら、オレのほうが少し上だ。東堂さんは結局、マイヨ・ジョーヌを着ることはなかった。  だがそれが、この人の背中を思わない理由になどならない。 「ずっとオレの、――オレたちの前を走っていてくれて、ありがとうございました」  もう一度、深く頭を下げる。大きな歓声と、割れんばかりの拍手が上がった。東堂さんの名を呼ぶたくさんの声。悲鳴、すすり泣き。オレが最後に言ったのと同じ感謝の言葉が、会場のあちこちからいくつも届く。 「――ありがとう、真波」 ぐっと肩を引き寄せられた。オレごと観衆に身体を向けて、東堂さんは完爾と笑う。 「ありがとう、皆さん!」  よく通る声が、感謝を叫び返す。空いた片手が、見慣れた形を作った。人差し指を突きつける不遜なポーズに、歓声が轟く。 「永遠に続く時などない。時はすべて一瞬、過去には帰れない。だからこそ一瞬一瞬が代えがたく尊いのだと――そう、心に刻んで生きてきました。なにも悔いなどありません。素晴らしい選手生活、――素晴らしい人生だった!」  東堂さんはオレの肩を抱き寄せたままで、だから彼の身体の震えがわかった。  泣いている。  きっと、時よ止まれと泣いていた。いやだと、去りたくないと、もっと走っていたいのだと、月に手を伸ばすこどものように。  こんなにも晴れやかな、すがすがしい笑顔で、永遠が欲しいとこの人は泣くのだ。 「今日のこのレースを、この青く晴れた空を、秋の終わりの澄んだ空気を、ここにいる皆さんの顔を、かけてくださった言葉を! オレは生涯忘れないでしょう。ここに立つことができてよかった。  ありがとう! さらば、愛しいひとたち!」  東堂さんが大きく手を振る。眼下の誰もが彼の名を呼び、手を叩き、笑って泣いて、すさまじい騒ぎだった。彼に降り注ぐ熱量を隣で浴びているだけでくらくらする。 「真波」  満面の笑みを振りまいたまま、オレの耳にだけ届く声で東堂さんが囁いた。 「感謝する。おまえがいて良かった」 「……はい」  憧れぬいた背中に、オレはそっと触れる。  オレの脚はもう山を登れず、オレの背にはもう翼は生えない。それでもいまここで、彼の隣で、この脚がこの身体が、少しでも彼の支えになれているのなら、それはなんて幸せなことだろう。 「オレもです」  彼の名を呼び続ける人々に笑いかけ、東堂さんは壇上から降りた。オレもその背を追いかける。  きっとオレも、生涯忘れることはないだろう。あの熱を、あの震えを、彼の言葉を、  オレの前をゆく、この美しい背中を。

はてなブログで文庫ページテスト2

「さようなら、おじさま」


はてなブログで文庫ページテスト

「緋のエチュード


利き小説企画みんなやろうぜ

利き小説やろうぜ!

弱虫ペダル利き小説企画(利きペダ)というのを主催してます。kikipedal.goodword.jp

詳しくはサイトの説明を読んで下さればと思うんですが、要するに覆面形式のWebアンソロ企画。誰がどれを書いたかを隠して公開するので、知らない書き手さんの作品を楽しんだり、好きな書き手さんの作品を探したり、推理の課程で新たな萌えに出会っちゃってね! というもの。

もともと創作小説ジャンルで「覆面作家企画」というものに参加していて、とても楽しかったので、以前Twitterで「利き小説」というフレーズとともにこのような企画提案があったときに、ぜひやりた~い! 企画を立てました。(以前にはタイバニの140字SSでも同様の企画をやっています)

『恋愛要素抜き』としたのは、二次創作というのはどうしても恋愛ものに偏りがちで、自分の好きな組み合わせの話を主に読むという人が多いけど、別の組み合わせで活動している好みの書き手さんがいるかもよ? というプレゼン。そして、恋愛抜きとすることで広く作品を募って賑やかな企画にできるのでは? という思惑です。

この企画に限らず、利き小説企画はさまざまなジャンル・カップリングで開催されており、やりたい人はこれからどんどん自分のやりやすい方法で立ち上げていいと思います。が、それなりに大きな規模で、いろいろとツール類を使いつつやってきたので、もし「自分もあんな感じでやってみたい!」という方がいらした場合のために、利きペダはこんな感じで管理してますよ、という紹介を書いてみようかと。

前置きが長い! すみません。

サイト構築:

システム:Wordpress / サーバ:エクストリム

最近、サイトを作るときは大概Wordpressです。慣れてるので……。エクストリムというレンタルサーバは有料ですが一ヶ月100円程度と安く、使いやすいアドレスが複数取れ、Wordpressなども設置できるので、気軽に使えておすすめです。

Wordpressテーマ:「Graphy」をベースにカスタマイズ

themegraphy.comすっきりシンプルできれい。小説本文を読むときにはなるべく邪魔な要素がないのが大事だと思います。
小説本文とかはかなりカスタマイズを加えてます。(余力があったらカスタマイズ内容を紹介します。)

導入プラグイン
Advanced Custom Fields / Custom Post Type Permalinks

Wordpressで作れるページは「固定ページ」(普通のWebサイトのページ)と「投稿」(ブログ記事)という2種類のみなんですが、その種類を増やせるプラグイン。企画の回ごとにこのプラグインで「第2回」「第3回」のようにカスタム投稿を増やしています。
作品ページのアドレスを例えば http://kikipedal.goodword.jp/archives/kiki4/4-a01 のようにわかりやすく設定できるし、管理画面でも回ごとに記事を管理できるので便利。

WP Maintenance Mode

サイト全体を「メンテナンスモード」として外部から見られないようにできる(管理画面にログインすると公開状態のレイアウトで見られる)プラグインWordpressはリアルタイム処理ができるのが便利ですがうっかり変なページを見せてしまうと、特に推理企画としては大変まずいので、投稿を締め切ってから公開まではメンテナンスモードで作業しています。

WP-Polls

投票が設置できるプラグイン。投票数が見えるのはいろんなバロメーターになってしまうので諸刃の剣ではあると思うんですが、やはり推理企画なので投票できるのは盛り上がると思います。コメントをつけて投票、とかできるとさらに楽しいと思うけど、今のところこのプラグイン以外に便利な投票プラグインが見つかりません。

MW WP Form

メールフォームのプラグイン。必須項目や確認画面など細かく設定でき、送信されたデータはサーバにも保存されてCSV形式でダウンロードできるなど、高機能。投稿受付用その他で使っています。

WPFront Scroll Top

ページの右下にトップに戻るボタンを設置するプラグイン。同じようなものをいくつか試して、これが好みでした。なくてもいいけど、あるとちょっと読み手に親切。

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最近見たページを表示するプラグイン。なくてもいいけど、あるとちょっと読み手に親切。

企画の流れ

1)Wordpressで企画サイトを作成。トップページに企画主旨や日程、参加の流れなどを記載。

2)企画の顔となるTwitterアカウントを取得し、アイコンを設定。
1枚の画像(縦16:横9の比率で作成するとスマホで読みやすい)に企画の内容をまとめ、ツイートにも概要と専用ハッシュタグを記して企画宣伝ツイート。この時点でルールやテーマ、日程は明確にしておく方がいいと思います。告知から締め切りまでは長めに取りつつ、同じツイートを何度もするなどして周知に努めよう。もちろん自分のメインアカウントでもRT。

3)投稿受付用のメールフォームを開設。(お問い合わせ用のフォームも別途作っておくと混乱しない)

4)投稿を締め切ってからデータをCSV形式でダウンロードし、エクセル上でランダムソートなどしてグループ分け。
何度かやってみた感じでは、1グループにまとめる作品数は4~6作程度が推理を楽しみやすいようです。あまり多いと読み手が推理してみようという意欲を失ってしまう。

5)サイトを構築。基本的には、
・各グループごとの作品リスト
・各グループごとの作者リスト(自己紹介、参考作品リンクなど)
・個別の作品ページ
が用意できればよい。投票はあると楽しいけど、作品数が多い場合は設定に手間がかかるので、ちょっと大変かもです。推理用のメールフォームを作って、主催が随時報告するなどもいいかもしれない。

6)Twitterアカウントにて、作品公開のアナウンス。参加者全員のお名前と、グループの振り分けをツイート。ツイートにはハッシュタグと企画ページへのリンクを忘れないように。

7)推理期間中はこまめに公式アカウントから宣伝や投票状況の報告をして盛り上げる。主催の個人アカウントから作品の感想を言うのもいいかも。とにかく、「Twitterで感想を呟いてもらえる」ことが参加者の喜びなので、気軽にガンガン呟いていこうぜ!と盛り上げていきたい。

8)推理期間終了後、正解リストを公開。後書き代わりとして質問リストを用意し、語りたい人には語ってもらう(強制はしない)

 

ものすごーくざっくり書くと、こんな感じです。

運営のコツとしては、まず参加者(書く人、読む人)の「義務」をなるべく削減すること。たとえば、
・前もっての参加表明は不要で、投稿=書き手参加とする。
・字数の幅を500字~3000字と広く取り、200字低度の超過も可とする。短めに設定することで書き手も読み手も気軽だし、文字数設定を呈示しつつ多少の超過を許容することで文字数調整の苦労を減らす。
・書き手で参加した人にも推理・感想や後書き執筆を依頼はしない。あくまでやりたい人がやればいいスタンスで。

あとはとにかく、宣伝、宣伝! 初回は数が集まらなくても、楽しい企画として運営できれば次回以降に参加してくれる人もいるはず。初回はお試しで本番は二回目くらいの気持ちでやってみるといいかもしれません。

ポイントとして、普段交流のないカップリング違いの人々を集める企画なので、諍いが起きないようにというのは意識しておいた方がいいのかな~と思います。面白そうだけどこういう企画では読めない・参加できないという人もいますし、そういう感性を否定しないのは大事かな、と。

あとは、雑誌連載などの場合のネタバレの取り扱い。これもルールを決めておいた方が明朗でいいかと。利きペダは第2回で本紙展開のわかる作品があり、単行本派の人が残念がるということが起きたので、企画としての方針があらかじめあったほうが安全ですね。

ざっくり解説してみたけど、これはあくまでひとつの参考事例であって、どんなふうに運営するのも主催の自由だと思います。私が言うのも変かもですが、凝りに凝った企画がちょっとだけあるより、気軽に楽しめる企画がたくさんある方がいいんじゃないかなぁ。

というかですね。

「誰かこういう企画やってくれないかなあ」と呟くそこのあなた! あなたですよあなた! 面白いと思ったなら、あなたがやってみようぜ、ぜひ!

自分じゃ知名度がないから無理? いやいや。
知名度というのはですね、こういう企画を丁寧に遂行することでついてきます。最初から内輪企画とするのではなく、広く周知して、門戸を広げて、問い合わせなどに丁寧に応じて、参加したい人が誰でも参加できるよう気を配れば、(もちろんジャンル企画はジャンル活動者の人数に左右されますけど)きっとすてきな企画になります。

以上、なにかの参考になれば幸い!

小説同人誌の無配やWEB再録を電子書籍形式(EPUB)にしてみるのどうかなという話(作り方編)

電子書籍を買って読む人もずいぶん増えたんじゃないでしょうか。実はこの電子書籍、けっこう簡単に作れますし、市販のものと同様、電子書籍アプリで読むこともできます。

自作の小説ってpixivとかにアップしたり、PDF形式で配布したりすることもあると思うんですけど、電子書籍形式(ePub形式)ならオフラインでも読めるし、アプリの様々な機能(文字サイズや背景の調整、しおりやマーカー、目次からのジャンプ等)を使って読めて便利だと思うんですよね。

参考までに、WindowsPC用の電子書籍リーダーで自作を表示させたところ、こんな感じです。(二次創作にて失礼)

f:id:flowermaze:20171017225747p:plain

EPUBビューア「超縦書」というアプリです。見開きレイアウトで表示中。

f:id:flowermaze:20171017225755p:plain

こちらは紀伊國屋書店が配布している Kinoppy for Windows Desktop というアプリ。iOSAndroidMac版もあって至れり尽くせりです。

どちらも機能がわかりやすいように目次を表示させた状態でのスクリーンショットです。こんな感じで、市販の電子書籍とまったく同じように読めちゃいます。ちょっとワクワクしません?

PC上ではこうした専用ソフトをインストールして読むことになりますが、スマホであれば普段使いの電子書籍アプリや、もともとインストールされているアプリで読むこともできます(読み手が自由に選べます)文字サイズや画面の色も変更可能!

本の形の同人誌もすてきですし、投稿サービスも手軽でいいんですが、読みやすさという点では電子書籍もなかなかのものだと思います。有償頒布については色々議論があると思いますが、無料公開するものであればかなり便利なんじゃないでしょうか。

というわけで、書き手さん向けに作り方の解説と、読み手さん向けに読み方の解説をしてみたいと思います。前置きが長いね。すみません。

書き手さんへ――ファイルの作り方

こちらの無料サービスを利用して作成する方法の解説です。(一太郎でも作れますが、その話はまた別途)

conv.denshochan.com

用意するもの

  1. 小説本文のテキストファイル
    タイトルとか目次とか縦中横にしたい部分とかに決まった書式でマークを付けるとより電子書籍っぽくなります。
  2. 表紙
    なくてもいいけど、あるとかっこいい。pngjpegなど。
  3. ファイル置き場
    DropboxとかGoogleドキュメントとかiCloudとか、サイト持ってる人はもちろんサイトでも。拡張子epubのファイルを置いて、アドレスをアナウンスできればなんでもOK。

順に解説していきますね。

小説本文のテキストファイルを準備する

メモ帳などで、プレーンテキスト(拡張子「.txt」)のファイルに小説の本文を全部入れます。

タイトルはサイトを使って変換するときに別途入力するので、ファイル内には不要。

見出し(章タイトル)から目次を生成

本文がいくつかの章に別れているときは、各章タイトルを半角の # で囲って見だしにします。

# 第一章 #
 第一章の本文テキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキスト。
 テキストテキストテキストテキスト。

# 第二章 #
 第一章の本文テキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキスト。
 テキストテキストテキストテキスト。 

 こんな感じ。

入れ子の見出し

章が入れ子になっている場合(第一章第一節、など)は、下位にいくほど # を増やします。

# ライオンと魔女 #
## 疎開 ##
### かくれんぼ ###
 本文テキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキスト。
 テキストテキストテキストテキスト。

### 洋服だんす ###
 本文テキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキストテキスト。
 テキストテキストテキストテキスト。 

 こんな感じかな。

こうやって章タイトルを設定しておくと、目次を勝手に生成してくれます。

ルビ(ふりがな)

ルビを振りたい文字列を {} で囲み、| で区切ってふりがなを書きます。

{電子出版|でんししゅっぱん}

こういう書き方。

縦中横

半角数字の縦中横はファイル変換時に自動でやってくれるように設定できます。「!!」やアルファベットなどは ^ を前後につけて指定できます。

ドカーン^!!^

こうですね。

リンク

URLやメールアドレスを <> で囲むとリンクになります。ツイッターアカウントも@をつけて<>で囲むとリンクになります。

<http://example.com>
<sample@mail.com>
<@sample12345>

こんなん。

改ページ(ファイル分割)

改ページに従ってダウンロード単位が分割されるので、長い話でもスムーズに読みやすくなります。逆にあまり小分けにしすぎると読みにくいかも。====== と、= を3つ以上続けるとそこで分割します。

その他、いろいろ機能があります。こちら参照。

電書ちゃんのでんでんマークダウン - でんでんマークダウン

編集がおわったら、半角英数字で適当なファイル名を付けて保存します。honbun.txt とか。

表紙を用意する

なくてもいいですが、あったほうが読む人にわかりやすいです。JPEGPNGかGIFの形式で、適当な画像を1枚。サイズは縦4:横3か、縦16:横9の比率が良さそうです。

こういうサービスで簡単に作ってもいいですね。

sscard.monokakitools.net

underthesky.the-title.jp

www.canva.com

CanvaはWeb上で画像が簡単に作れるサービス。解説も色々あるので検索してみてください。

注意!画像はファイル名を「cover」にして保存しておきます。(cover.jpg、cover.png、cover.gifのいずれか)本文ファイルと同じフォルダに保存しておくと、あとが楽です。

変換する

電書ちゃんのでんでんコンバーター - でんでんコンバーター

上でも紹介したこちらのサイトに移動します。

  1. 「アップロードしてね」
    本文のテキストファイルと、表紙のファイルを選択します。(Ctrlキーを押しながらファイルをクリックすると、複数ファイルを選択できます)
  2. 「情報を入れてね」
    タイトルと著者名を入力。
  3. 「ページ送り方向」
    「右から左 縦書き」に変更。
  4. 「お好みでどうぞ」
    「扉ページ」……チェックを入れとくのがおすすめ。かっこいいです。
    「目次ページ」……本文に見出しをつけた場合はチェック。
    あとは基本そのままでいいと思います。色々試してみてね。

入力が終わったら「変換」ボタンをクリック。
ファイルに適当な名前をつけて、適当な場所に保存します。(半角英数字)

アップロードして公開する

ファイルのアドレスを公開できる場所ならどこでもいいので、アップしましょう。Webサイトをお持ちの人はそちらへ。

アップロード、と言われてピンと来ない人は、DropboxGoogleドライブ、iCloud、OneDriveといった無料のオンラインストレージサービスがおすすめ。

私はDropboxをメインで使用中です。

www.dropbox.comDropboxでのファイル公開方法(WindowsPC)

 Yahoo!ボックスはヘルプがわかりやすくていいかも。

info-box.yahoo.co.jp例)https://yahoo.jp/box/hh2q69
※この記事で案内した方法で作成した自作epubファイルです。二次創作注意。

 

使い方はこちら参照↓

みんなにファイルを見せる(公開機能) - ストレージならYahoo!ボックス

 

限定的な日程で公開したいならファイル転送サービスも便利ですね。一時的に使うだけならユーザー登録も不要。パスワードが設定できるサービスも。

www.datadeliver.net

gigafile.nu

 

読み手さんへ――電子書籍の読み方

読み方書くの忘れてた。

iPhoneでもAndroidでも、スマホの場合は電子書籍が読めるアプリが無料で用意されています。iPhoneiBooksAndroidGoogle Playかな。
書き手さんから提供された電子書籍のリンクに標準ブラウザでアクセスし、ファイルを電子書籍用アプリで開くことで読めるようになると思います。

また、いくつかの電子書籍販売サイトの専用リーダーや、上で紹介しているKinoppyなどのリーダーでも開くことができます。

WindowsPCなら標準ブラウザのEdgeで開くのが一番簡単。MaciOSと同じくiBooksで開けるようです。

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